長編の怪談
約3000字。日常描写の厚みと積み重なる異変で読ませる本格怪談
面影
建設会社で働く父と息子が、解体予定の古民家から神楽面を運び出していた時、その面がじっと二人を見つめているような気がした。
着信履歴
中学2年の誕生日、田舎の祖母からもらった古い携帯電話が、俺の人生で最も恐ろしい一夜の始まりだった。
石の便器
深夜のコンビニ帰り、急な尿意に襲われた僕は、薄暗い公園の古いトイレに駆け込んだ。
黒い線
友人の部屋を訪ねた時、彼女はもう人間ではなくなっていた。
割れた鏡
新築のワンルームマンションに入居して三日目、洗面台の鏡が最初から割れていることに気がついた。
遠野さん
大学3年の秋、同じ研究室だった先輩の実家を初めて訪れた。その時私は、7年前に死んだ恋人と毎日会っているという先輩の秘密を知ることになる。
こっち
最新のAIナビが「こっち」と囁き始めた時、僕はあの夏の記憶を思い出した。
ねんねんころりよ
小学三年の夏休み、母の実家で出会った「彼女」は、毎晩子守唄を歌いながら私たちを見守っていた。
木骨の箱
大学の木工室で卒業制作の準備をしていた午後、同級生が指差した作業台の隅に、誰のものかわからない古い桐の箱が置かれていた。
監視される者
ショッピングモールの夜勤警備員として働き始めて三ヶ月、俺はまだあの「ルール」を知らなかった。
同級生
夏休みの最終日、偶然出会った中学時代の同級生と一緒に博物館へ向かった私は、まだその時、彼が卒業アルバムには存在しない人物だということを知らなかった。
鼻歌
小学3年の時、風邪で学校を休んでリビングでヘッドフォンをつけてテレビを見ていた。ふと、ヘッドフォンを外した時に、遠くから何かのメロディーが聞こえてきた。
別れの曲
日曜日の午後、もう誰もいないはずの学校の音楽室で、私たちは「それ」と出会った。
夜ご飯の時間
車が故障したあの夜、俺たちは田んぼの中で「家族」に出会った。
顔なし登山者
小学生の頃、父親と二人で登山道を歩いていた時、僕たちは「人間ではない何か」と出会った。
手ぬぐいの宿
営業で回っていた地方の温泉街で、最後に訪れた宿の玄関に立った瞬間、何かがおかしいと感じた。
放課後のリカ
放課後の教室で忘れ物を取りに戻った俺と友人の二人がいた。
祠の宿直
私は市内にある古い神社の管理を任されているが、毎月の宿直当番の夜だけは、決して一人ではないのだと最近気づいた。
三段目の瓶
あれは僕が小学5年生の夏休み、母方の田舎にある曾祖母の古い家に一人で泊まりに行った時のことでした。
山桜温泉
実家の隣にある空き家で先月から工事が始まったんですが、その現場監督をやってる友人から聞いた話です。