短編の怪談
約800字。サクッと読める、一撃の違和感で終わる怪談
海の招き
昭和の終わり頃、祖母が近所の友人と連れ立って海水浴場へ出かけた時のことを、今でも震え声で語ってくれる。
五人目
大学のゼミ合宿で山奥の研修施設に来て、四人で二段ベッドの部屋に泊まっていた。
フォロワー
入院中の病室で、同室の患者が撮った写真を現像してSNSに投稿していた。
読書霊
深夜のコンビニでアルバイト中、レジ横に置かれた三国志の文庫本を読みながら時間を潰していた。
顔なし登山客
大学の友人と登山道を歩いていた時、すれ違う人々の顔が見えないことに気づいた。
木彫りの子供
小学三年の夏休み、祖父が神社の境内で拾った木彫りの人形には、何人もの子供が住んでいた。
温度異常
大学のサークルで深夜のラジオ番組を収録していたその夜、僕たちは決して忘れることのできない「声」を録音してしまった。
七日の約束
大学二年の夏休み、古美術商でバイトをしていた俺は、まさかあの人形と「約束」を交わすことになるとは思ってもみなかった。
白い布
陸上部の練習が終わった夜、いつもの帰り道で私が見たものは、風のない夜に一人揺れる白い布だった。
あけて
小学6年の夏休み、母の実家で従兄弟たちと過ごしていた時、私は絶対に開けてはいけないものを開けてしまった。
夜勤明けの客
夜勤明けで疲れていたので、同僚の車で仮眠を取りながら帰宅していた。
契約成立
営業で回っている時に立ち寄ったファミレスで、俺は二十年間持ち続けた「見える」能力を失うことになった。
ラララ
深夜にヘッドフォンをしてゲームをしていた時、のどが渇いてキッチンに向かった私の耳に、女性の鼻歌が聞こえてきた。
健太を探して
実家に帰省して三日目の夜、固定電話が鳴った。
おつかれさまです
夜勤明けの午前3時、会社の和式便所で用を足していた時、隣の個室から丁寧すぎる挨拶が聞こえてきた。
文字踊り
生徒会長A君の薄い冷笑が、地域の伝統行事について語る時だけ、異様に深くなることに気づいたのは、彼が姿を消す前日のことだった。
視界の端
「どこを見ても、あの顔だけは消えなかった」友人はそう震え声で話し始めた。
深夜の迎え
深夜にピンポン音が鳴り、パジャマ姿で玄関のすりガラス越しに来客を確認しようとした。
竹林の電話
その公衆電話は、決まって夜中に鳴るのだという。
対岸の視線
会社の同期三人で山奥の別荘に来たのが、すべての始まりだった。